Carmina Burana – Sacri Sarcasmi

stellaceli on 2009.12.09 | Arcana |

Carmina Burana Sacri Sarcasmi

Carmina  Burana – Sacri Sarcasmi
La Reverdie
(Arcana: A 353)

カルミナ・ブラーナ集。この曲集には「オルフのカルミナ・ブラーナは写本から詩をピックアップして作曲したわけで、これは別物」という説明がつきものだけど、別物と言われても聴き手はきっとオルフを意識する。聴き手の大半はそうだと思う。オルフを聴いたことのない聴き手だってたぶんオルフを意識している。だから本当はオルフのオの字も出さずに説明できたらいいだろうと思うけど、そんな説明はあり得ないのかもしれない。オルフのカルミナ・ブラーナを無視して説明するのはいかにも不自然で、無理してるというか、スカした感じがする。

ラ・レヴェルディもオルフっぽいのを期待して買った聴き手に申し訳ないようなことをライナーに書いている。もしかしたらどこかでガッカリしたようなことを言われたことがあったのかもしれない。でもそんな必要がないくらい今回のセレクションは見事。いつもの女性4人に司令塔で精神的支柱らしいドロン、それからコアメンバーになったっぽいアンドレアと数名のゲスト。アンドレアはvoce のほかにvoce recitante とあるけど、朗読と朗唱の中間というか語り芸といっていい役どころで、このアンドレアが胸倉を掴んで中世に投げ飛ばすかのような濃い世界を作っている。ベンジャミン・バグビーのヴォルケンシュタイン体験以来、こういう語り芸には弱い。メインは相変わらず4人の歌なんだろうと思うけど、ドロンのコルネットがいい味で締めてるし、ドライさばかり目立っていた4人の声も、楽器との調和がとれるようになってきて、アンサンブルとしてのまとまりが上がってきた気がする。既にベテランの域に達している人気グループに向かって言う言葉じゃないけど、日本では偉大なる領導者先生が評価してないせいかいまいち冴えない扱いなので、深い淵から声をすこし大きくして言おう。ラ・レヴェルディはいいですよ、と。

La Reverdie:
Claudia Caffagni: voce, liuto, psalterium
Livia Caffagni: voce, flauti, viella
Elisabetta de Mircovich: voce, viella, symphonia, campane
Ella de Mircovich: voce, arpa, cithara teutonica
Doron David Sherwin: voce, cornetto muto, percussioni
Andrea Favari: voce, voce recitante
Paolo Borgonovo: voce
Matteo Zenatti: voce

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