Ossuaires – Office for Elizabeth of Hungary

2014.02.18 | medieval |

Ossuaires:Office for Eliz

Ossuaires – Office for Elizabeth of Hungary by Pierre de Cambrai
Graindelavoix
(Glossa: GCD P32107)

グランドラヴォアは聴き手を選別する。彼らのプログラムは中世と初期ルネサンスが中心になっている。演奏スタイルは堂々たるオヤジ系で、野趣あふれる歌声は、おそらくは一本筋が通ったものだろうと想像するのだが、端正な声をもつグループに耽溺した耳には到底受け入れるものではない。

彼らは、13世紀の教会建築家ヴィラール・ド・オヌクール三部作という、よくわからないシリーズに取り組み始めた。とは言っても、2枚目が出てしばらく経っているから、制作側としてはもう完結しているのかもしれない。ヴィラール・ド・オヌクールという人は、フランス北部ピカルディー出身で、流通筋の簡潔な表現を借りると「教会建築のための図画や絵画、彫刻、装飾などを求めてヨーロッパ各地を旅した」らしい。検索すれば、彼がそれらをスケッチした画帳を見ることができる。彼のスケッチは、ゴシック建築に関する貴重な資料になっているという。

でも、この人で三部作?

第1集は、北フランスからハンガリーまでの旅程が下敷きになっていて、流通筋によると「13世紀のピエール・ド・カンブレによる当時のハンガリー女王エルジェーベトのための礼拝の音楽」のプログラムだという。この「ハンガリー女王」はたぶん「ハンガリー王女」が正しい。死後に列聖される彼女の墓が巡礼地となっていたらしく、「納骨堂~聖者の遺骨の安置所」というタイトルは、彼女の墓を指すのだろう。このプログラムが「オヌクール三部作のひとつ」なのは、彼の旅程の終着点にこの墓があったということだろう。

というわけで、ピエールと流通筋のアナウンスでは触れられていないジェラール・ド・サン=カンタンによる聖務日課だけど、本当に、譜面のすき間というすき間を埋めまくったようなすごい歌を歌うんだな、グランドラヴォアというグループは。まったく。そして、堂々たるオヤジだけでなく堂々たる女性たちも参加して、オヤジたちと見事に拮抗している。最後にフィドルを従えて作者不詳の歌を歌う女性がまた凄い迫力。選別されないようにしがみつく。

Pierre De Cambrai & Gérard De Saint-Quentin (?):
Officium Para Santa Isabel De Hungría
Antífona I. Gaudeat Hungaria
Responsorio II. Sub Conrado Dei Viro
Responsorio V. Ante Dies Exitus
Responsorio VI. Cui Nec Apex
Responsorio IX. Tante Signa Glorie

Pierre De Cambrai (?): Un Chant Renvoise / Decantatur
Anónimo: Volek Syrolm Thudothlon

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