From Spain to Eternity

2015.02.22 | renaissance |

From Spain to Eternity

From Spain to Eternity – The Sacred Polyphony of El Greco’s Toledo
Ensemble Plus Ultra
(Archiv: 00289 479 2610)

アンサンブル・プルス・ウルトラと言えばビクトリア10BOX事件である。アルヒーフ・スペインからローカル・リリースされていたシリーズを、完結と同時にアルヒーフ本社が廉価BOX化してしまったあの惨事は、今でも記憶に新しい。

よくある話だ。悪いのは彼らではない。レーベルにも言い分はあるはず。しかし、当初の国内での価格設定がやたらと高く、しかもローカルの10枚目よりもBOXの方が早く流通したものだから、ショックは大きかった。

彼らがビクトリアから離れて組んだプログラムは、サブタイトルを読むと、エル・グレコがトレドにいた頃のポリフォニーということになる。エル・グレコがトレドに住むようになったのは、16世紀後半の遅い時期。エル・グレコは、モラーレスもゲレーロもアロンソ・ロボも呑みこめる便利なキーワードなのかもしれない。

冒頭のロボ「我が竪琴は悲しみに」からバスの存在感が大きい。なんだアロンソ、君は低音王だったのか。君もそうなのか、クリストバル。バスが次々と場面を制圧していく。この勢いは誰にも止められない。

最近の演奏スタイルはそうじゃないよ、という声が聞こえそうだ。でも、安定感のあるバスの的確なドライブが心地よい。いいじゃない、バスが主導権を握っても。すべてが成功しているわけではないけど。説得力があるのはモラーレスの哀歌だ。声質の揃ったアルトとカウンターテノールが上声を占めるやや重心の低い編成が、バスを中心としてスムーズに哀しみを増幅させる。

Lobo: Versa est in luctum
Morales: Clamabat autem mulier Chananea
Guerrero: Prudentes virgines
Lobo: Missa Prudentes virgines
Morales: Quanti mercernarii
Tejeda: Rex autem David
Morales: Expandit Sion manus suas
Tejeda: Miserere mei, Deus
Lobo: Ave regina coelorum

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