Brahms & Bruckner: Motets | Tenebrae

2016.07.26 | classic+ |

Brahms/Bruckner: Motets

Brahms & Bruckner: Motets
Tenebrae
(Signum: SIGCD430)

理知的な風貌と心理学的アプローチ、そして個性的な声。売れ始めた頃のボストリッジはそんな風に紹介されていた。彼のイメージは20年経っても大して変わってないと思う。もしかすると、世間的にはオペラの歌い手としての色が濃くなっているかもしれないけど。

The English Songbookで彼の彫りの深い英語が聴ける。感覚を鋭くして言葉に磨きをかけるリート歌手でもある彼の表現は、母国語の英語ではさらに想像を超えて振れ幅が大きく深い。声に関しては、個性的というよりもむしろエインズリーやパドモアのようなイギリスの歌い手の列に並ぶ存在だと思うけど、この振れ幅は彼のものだ。

それが裏目に出ることもある。ヘレウェーヘが録音したバッハのマタイ受難曲に彼が福音史家として参加したときは、ロマンティックだという批判が多かった。振れ幅が大きく、そこに感情が乗ると、ロマンティックということになるらしい。

年明けにメンデルスゾーンのオラトリオを歌ったとき、演奏会を前にマエストロの口から出た「人数分の声が出ていない」というもっともな指摘をクリアするためにしたことは、彼の振れ幅を参考にすることだった。微細な表現は早々にあきらめ、増量したボリューム感に満足し、その歌い方を賑やかしと呼ぶことにした。

イギリスの押し出しの強い合唱団は、バロックでもロマン派でも格調高く賑やかす。テネブレは、大陸の合唱団が大事にしている何かをあっさりと手放し、高揚感と喪失感を聴き手に突き付ける。このアルバムがいかにもイギリス的と思えるのはそういうところだ。ブラームスを英語で歌っているからではない。

Bruckner: Aequalis No.1
Bruckner: Virga Jesse floruit
Bruckner: Ecce sacerdos magnus
Bruckner: Christus factus est
Bruckner: Locus iste a Deo factus est
Brahms: Fest- und Gedenksprüche Op.109
Bruckner: Os iusti meditabitur
Brahms: Ave Maria Op.12
Brahms: Ein deutsches Requiem Op.45
 - 4. How lovely are thy dwellings
Bruckner: Ave Maria
Bruckner: Tota pulchra es
Brahms: Three Motets Op.110
Brahms: Geistliches Lied Op.30
Bruckner: Aequalis No.2

tag:

prev:
next: