J.S.Bach: Motets

2020.01.26 | baroque |

J.S.Bach: Motets
Salicus Kammerchor
(Leibniz Record: SKCD1001)

サリクス・カンマーコアが録音したバッハのモテットのCDが届いた。「古ネウマによって書かれた繊細な歌いまわし」を参考にしたアプローチというものに興味をそそられたし、YouTubeで聴いたいくつかの演奏も魅力的だったから、CDを自主制作するという話を知ったときには食指が動いた。結局、クラウドファンディングにまつわる過去の苦い経験に負けて一般販売を待つことにしたが、うっかり1月になるまで見過ごしていた。

サリクスの演奏は立派だ。そのために一度ではなく何度も繰り返し聴くことになり、結局、睡眠時間を大幅に削ってしまったのだが、その立派さの質というのがとても親しみのあるものに感じられた。彼らのアプローチの詳細を知っているわけではないけど、言葉や言葉と言葉の間のつくりを知り、十分丁寧にそれを活かして演奏すると「こう」なるのではないか、という想像にある程度フィットしてくれる、その心地よさからくるものなのだろう。もちろん、実際にはその想像とアプローチとの間には相当の隔たりがあり、「こう」なるように演奏することもまた容易くはない。だから、彼らの演奏は立派で素晴らしい。

彼らのCDを発注してまもなく、25年前の同じ頃、神戸のとある特約店に、大阪ハインリヒ・シュッツ合唱団が録音したバッハのミサロ短調のCDを注文したことを思い出した。またバッハだった。注文して数日のうちに届くのは、注文先に何事も起きなかったからだろう。CDを手にして無事なることの幸福を思った。

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